キングダムのカイネ。趙(ちょう)の武将であるカイネ(かいね)の振る舞いに、どこか納得いかない部分や違和感を抱いているのかもしれません。
確かに、彼女の李牧(りぼく)信者とも言える姿や、主人公・信(しん)への過剰な敵対心、時に感情的すぎる言動、そして傅抵(ふてい)に向ける冷たい態度には、戸惑いを感じることもあるでしょう。
しかし、彼女の護衛としての確かな武力や、その行動の源泉となっている壮絶な過去、李牧への一途な想いを知ると、印象が変わる可能性があります。また、時折見せる仲間思いな一面や、恋愛におけるツンデレな素顔は、彼女の多面的な魅力を示しています。
この記事では、カイネがなぜ「うざい」と感じられてしまうのか、その理由を分析するとともに、彼女の背景にある人間的な魅力や素顔について、多角的に解説していきます。
記事のポイント
1.うざいと評される具体的な理由
2.行動原理となっている壮絶な過去
3.李牧への忠誠心と恋愛感情
4.うざい評価の奥にある多面的な魅力
キングダムのカイネがうざいと言われる理由
- 李牧信者と評される盲目的な姿
- 感情的すぎる言動
- 信への過剰な敵対心
- 傅抵への冷たい態度
- 護衛としての武力は本物か
李牧信者と評される盲目的な姿
カイネが「うざい」と感じられる最も大きな理由の一つは、李牧に対する過剰とも言える忠誠心です。彼女は、李牧が侮辱されると、自身のことをさておき激しい怒りを露わにします。
例えば、物語の序盤や各国の将が集う場面で、李牧の言動に対して周囲から非難や疑問の声が上がると、カイネは即座に感情的に反論します。この姿は、冷静な軍師である李牧の側近としては不釣り合いに映ることがあります。
李牧個人への強い思い入れが、公私混同と受け取られかねない言動につながっており、客観的な視点を持つ読者からは「盲目的すぎる」「李牧信者だ」と見なされ、敬遠される要因となっていると考えられます。
感情的すぎる言動
前述の通り、カイネは李牧が関わる事柄になると、冷静さを失いがちです。特に、李牧の身に危険が迫ったり、彼が苦境に立たされたりすると、感情を前面に出して行動することが多く見受けられます。
李牧が処刑されそうになった際、カイネは自らの命をかけて彼を救出しようと決意します。この行動は忠義の表れである一方、李牧というキャラクターの評価と相まって、「なぜそこまで妄信できるのか」と疑問視されることもあります。
『キングダム』という作品が持つシリアスで壮大なスケールの物語の中で、カイネの感情的な言動は、時に読者にとってノイズのように感じられ、物語への没入を妨げる一因となっている可能性があります。
信への過剰な敵対心
主人公である信に対するカイネの厳しい態度も、彼女が好まれない理由の一つです。秦趙同盟の祝宴で初めて出会った時から、カイネは信に対して見下したような態度を取り、折に触れて敵対心をむき出しにします。
信が李牧の計画にとって障害となる存在であると認識しているためかもしれませんが、その敵意は個人的な感情も含まれているように映ります。
主人公である信に感情移入して物語を読んでいる読者にとって、カイネの理不尽とも思える敵対心はストレスに感じられ、「うざい」という評価につながりやすいのです。
傅抵への冷たい態度
カイネは、同じ李牧軍に所属する傅抵から好意を寄せられています。しかし、彼女は傅抵のアプローチに対して極めて冷たく、容赦のない態度で接します。
傅抵が彼女のことを「将来の俺の嫁」と公言するなど、軽薄な態度を取ることも一因ですが、カイネは彼に一切の隙を見せません。この態度は、李牧に一途な想いを寄せていることの裏返しでもあります。
とはいえ、李牧に向ける熱烈な視線と、傅抵に対する氷のような態度の落差が激しいため、彼女の性格がきつく、自己中心的に見えてしまう側面があります。
護衛としての武力は本物か
カイネは李牧の護衛を務めるだけあり、二刀流を操る高い戦闘能力を持っています。その実力は確かで、並の兵士では相手にならない強さを誇ります。
しかし、物語が進むにつれて、信や羌瘣(きょうかい)のような規格外の強さを持つキャラクターたちとの差が浮き彫りになる場面も見られます。
「一瞬で斬り殺してやる」といった自信に満ちた発言とは裏腹に、苦戦を強いられたり、結果的に取り逃がしたりすることもあります。この言動と実際の結果とのギャップが、彼女の武人としての「格」を疑問視させ、「口だけ」というような否定的な印象を与えてしまうことがあるようです。
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キングダムのカイネはうざいだけではない魅力
- 壮絶な過去が忠誠心の源
- 李牧への一途な想い
- 意外と仲間思いな一面
- 恋愛で見せるツンデレな姿
壮絶な過去が忠誠心の源
カイネの言動を理解する上で欠かせないのが、コミックス未収録の読み切り作品『李牧』で明かされた彼女の壮絶な過去です。
彼女は趙国北方の雁門(がんもん)出身で、幼い頃に敵対民族である匈奴(きょうぬ)によって家族を目の前で惨殺された孤児でした。生きるために盗みを働き、匈奴への激しい憎しみだけで心を満たしていたのです。
そんな絶望の淵にいたカイネを救ったのが、雁門に赴任してきた李牧でした。当初は李牧の「不戦」の方針を「腰抜け」と軽蔑していたカイネですが、やがて李牧が数年がかりで周到な罠を張り巡らせ、兵の命を尊びながら知略で匈奴を殲滅する姿を目の当たりにします。
李牧の計り知れない器の大きさと優しさに心酔したカイネは、自らの剣を彼に捧げることを決意しました。彼女の李牧への絶対的な忠誠心は、単なる盲信ではなく、命の恩人であり、進むべき道を示してくれた唯一の存在への深い恩義と尊敬に根ざしているのです。
李牧への一途な想い
カイネの李牧への感情は、単なる主君への忠誠心に留まりません。彼女は李牧を一人の男性として深く愛しており、その想いは物語の随所で描かれています。
普段は男勝りな剣士として振る舞う彼女が、李牧の何気ない一言に顔を赤らめたり、彼と家庭を持つ妄想にふけったりするなど、「乙女」としての一面を覗かせます。李牧に抱きつくなど、時折大胆なアプローチを試みることもありますが、主従という一線を越えることに迷う姿も見られます。
この一途な想いは、番吾城(ばんごじょう)防衛の直前に、李牧もまたカイネを「心に決めた女性」として見ていたことが判明し、二人が両想いであったことが示唆されました。史実の李牧に子供がいたとされる記述と併せて、二人が結ばれることを願う読者も少なくありません。
意外と仲間思いな一面
カイネは李牧以外には冷たい態度を取ることが多いように見えますが、同じ立場の人間に対して共感を示す場面もあります。
代表的なのは、飛信隊(ひしんたい)の軍師である河了貂(かりょうてん)との関係です。カイネは早い段階で河了貂が女性であることを見破っていました。
敵同士という立場を強調しながらも、戦国の世で男装して戦場で生き抜く女性同士として、カイネは河了貂を気にかけるような素振りを見せることがあります。これは、カイネが決して冷徹なだけの人間ではなく、境遇の近い他者へ共感する心を持っていることを示しています。
恋愛で見せるツンデレな姿
李牧への一途な想いは、彼女の行動を不器用にも見せています。李牧に対しては好意を隠しきれない一方で、傅抵のように自分に好意を向ける相手には一切の興味を示さず、厳しく突き放します。
この極端な態度の違いは、李牧への純粋すぎる想いの裏返しです。普段の男勝りな武人としての姿と、李牧の前でだけ見せる乙女な姿のギャップは、典型的な「ツンデレ」キャラクターとしての魅力とも言えます。
素直になれない不器用さが、彼女の人間的な深みを加えており、ただ「うざい」だけではない、複雑な魅力を形成していると考えられます。
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キングダムのカイネがうざいについてまとめ
この記事のポイントをまとめます。
- カイネが「うざい」と評される主な理由は、李牧への過剰な忠誠心にある
- 李牧が侮辱されると感情的になり、公私混同と見なされがちである
- 主人公の信に対して、初対面から一貫して敵対的な態度を取る
- 傅抵からの好意を冷たくあしらう姿が、きつい性格に映る
- 高い武力を持ちながら、言動とのギャップが指摘されることもある
- しかし、彼女の行動原理は壮絶な過去に起因している
- カイネは幼少期に匈奴に家族を殺された孤児であった
- 絶望の中で李牧に救われ、その知略と人柄に心酔した
- 彼女の忠誠心は、命の恩人への深い恩義と尊敬の証である
- 李牧へは主君以上の、一途な恋愛感情を抱いている
- 李牧の言葉に一喜 prélim憂し、彼との未来を妄想する乙女な一面を持つ
- 李牧もカイネを心に決めており、二人は両想いである可能性が高い
- 敵である河了貂に対し、同じ女性として共感する側面も持つ
- 李牧以外への冷たさは、一途な想いの裏返しでもある
- カイネの言動は、過去のトラウマと李牧への純粋な想いが複雑に絡み合った結果である
- 「うざい」と感じる部分こそが、彼女の人間的な弱さや不器用さを示している
